スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

0
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『サー・ガウェインと緑の騎士』 "Sir Gawain and the Green Knight"

    評価:
    J. R. R. Tolkien
    Oxford Univ Pr (Sd)

    作者不明、1480年ごろに書かれたとされる、アーサー王伝説の一部をなす叙事詩です。
    この詩の作者(便宜上、”ガウェイン詩人”と呼ばれることが多い)は、この長編詩のほかに、4篇の宗教詩を書いていますが、イングランドのミッドランドの方言で書かれているため(同時代のチョーサーは、ロンドンあたりの方言で書いています)、当時からあまり人気が出なかったらしく、現存する写本は1冊のみ、となっています。

    円卓の騎士の一人、ガウェイン卿の探求の物語。
    有名な聖杯伝説よりも、年代的には前の設定のようです。

    >あらすじは”続きを読む”から

    えーと、わたしは授業で読んだので、原文(アルファベットだけ現代のものに直してあって、つづり&単語は原文のまま)で読みました。
    ・・・泣くかと思いました。わからなすぎて。

    えと、この時代の英語と現代英語がどのくらい違うかというと、

    このくらい↓

    原文:Mony clyff he overclambe in contrayes straunge,
            Fer floten fro his frendes fremedly he rides.

    現代訳:He clambers over rough slopes in curious regions;
              Estranged from his friends, he rides on, ranging far.

    ちなみにこの現代訳は、単語も語順も変えてます。
    原文のもつ力強さは、現代訳ではあまり出ないですけど、原文でなんて読むもんじゃありません(苦笑)

    でも、慣れてくると、なんとなーく分かるような気がしてくるのが不思議なところ☆

    物語としては、とてもおもしろいです。



    さて、邦訳ですが、日本では上の、『サー・ガウェインと緑の騎士』のみが出ています。
    タイトルに”トールキンの”とついているように、この訳は、原文の翻訳ではなく、
    原文→現代英語→日本語、という、二重の翻訳になっています。

    んー、なので、試みとしてはおもしろいのですが・・・
    すみません、正直に言って、この翻訳好きじゃないです。

    好きじゃないというからには、ちゃんと理由があるのですが、難点は:
    ・登場人物の語り口が一定ではない。
    →緑の騎士が、「〜じゃ」とか、めちゃくちゃおじいちゃん口調だったり、「〜だろう」みたいに普通だったりと、人物像が一定しません。別に、緑の騎士って年寄りでもないのに・・・なんだか好々爺な印象を受けるので、こわくないんです。

    ・訳語の選択がたまに・・・
    →いい例が”お年玉”なんですが・・・ 新年の贈り物を交換し合うところで、「お年玉」はちょっと日本的過ぎるよなぁ、とか。

    あとは(まぁ仕方が無いことなのですが)、英語版で収録されている”韻律について”の解説と、語彙録が省略されていること。
    そりゃ、日本人の読者にはあまり必要ないかもだけれどもー。うーん・・・


    て、ところです。
    せっかくの邦訳なので、もうちょっと原文のよさが残っているとよかったのになぁ、と思います。

    どなたか、原文から直接邦訳にしてくださらないかしらねぇ?
    え?需要が無いって?
    知ってます。


    にほんブログ村 本ブログ 海外文学へ

    0
      あらすじ

      Fitt 1
      ブリトンの歴史の中でも、もっとも高名なアーサー王の治世。
      あるクリスマスのこと、アーサー王とグイネヴィア王妃、円卓の騎士、その他大勢の貴族たちは、いつものように様々な遊びと宴会とで、クリスマスを祝っていた。
      豪華な食事が供されたが、なにかすばらしい出来事を見るか、その顛末を聞くかするまでは食事をしないと誓いを立てているアーサーは、まだ食事に手をつけていない。

      と、そこに、一人の騎士が馬に乗ったまま入ってきた。
      堂々とした偉丈夫で、その巨躯を美しい衣装で包み、美しい馬具を着けた馬に乗っていた。その手には、大きな斧と、平和の象徴である緑の若枝。
      息をのむ一同。
      彼は着ているものだけではなく、馬も、そして本人の体も、緑一色だった。

      アーサーは緑の騎士に、一緒にクリスマスの食事を取るようにすすめるが、騎士は断って、彼のやってきた目的を告げる。
      曰く、「世に名高いアーサー王と円卓の騎士のうわさを聞き、本当かどうかためしに来た。
      クリスマスのちょっとしたゲームとして、誰かこの斧をもってして、私の首に一太刀食らわせてみろ。
      その後で、私も彼に一太刀を返そう。
      誰か、この挑戦を受ける勇気のあるものはいるか。」

      唖然とする一同。騎士はそんな彼らを嘲笑する。
      それに怒ったアーサーは、自らその挑戦を受ける、というが、そこでガウェイン卿が名乗りでる。
      「王がそのような挑戦を受けるべきではない。自分は円卓の騎士の末席にあるものだが、私ならば何かあっても問題ないであろうから、その挑戦を受けさせてはくれまいか」と。

      緑の騎士はそれを認め、条件を提示する。
      必ず一太刀でなければならないこと。
      お返しの一太刀を受けること。
      しかし、お返しの前に1年と1日の猶予を与えること。
      ガウェインは、期日が来る前に、緑の騎士の住む場所を訪ねなければならないこと。

      ガウェインは了解し、緑の騎士の首に一太刀をくれる。
      切り落とされた首が、床の上を転がる。しかし騎士は倒れもせず、その首を拾い上げると、馬にまたがり、脇に首を抱えたままで、ガウェインに「1年と1日後、緑の礼拝堂にいる緑の騎士を訪ねるように」、と念を押して、走り去る。

      一同は我に帰り、目の当たりにした不思議について多いに語りながら、楽しいクリスマスの宴会へと戻る。

      Fitt 2
      季節は巡って次の年の11月。ガウェイン卿は緑の騎士との約束を果たすため、一人探求の旅に出る。豪華な鎧に身を包み、アーサー王や仲間の騎士たちに惜しまれ、見送られて、”緑の礼拝堂”という、どこにあるのかも分からない場所を求めるために出立する。

      道中、誰に聞いても場所が分からず、谷間を行き、湖を回り、鬱蒼とした森の中を進む。
      竜、狼、熊、巨人と戦い、嵐にも寒さにも雪にも耐えて、クリスマスの前日、ようやく森の中で城を見つける。
      城の主人は、ガウェインの話を聞くと、
      「緑の礼拝堂ならば、ここから行って1日の距離にある。約束の期日まではまだ数日あるから、この城で一緒にクリスマスを祝ってくれ」といって、ガウェインを招き入れる。
      ほっとしたガウェインは、招きに応じて城の客人となる。

      その夜、城の主人はガウェインに自分の妻と貴族たちを紹介し、一同そろって食事を楽しむ。
      食事後、主人はガウェインに、「自分は明日狩に行くが、どうかゆっくり休んでいてほしい。そして、私が戻ってきたら、おたがい1日の間に得た獲物を、すべて交換しようではないか。」と持ちかける。
      これをおもしろい遊びだと思ったガウェインは了解し、二人は挨拶をして寝室に引き上げる。

      Fitt 3
      早朝、城の主人は従者を引き連れて、森へ狩に出かける。
      たくさんの猟犬、角笛、巧みな技を用いて、主人は大鹿をしとめる。

      一方ガウェインは、与えられた部屋でゆっくりと休んでいた。そこに、主人の妻が入ってきて、ガウェインに語りかける。
      寝室に入ってこられたことに狼狽したガウェインだが、騎士の礼節を守って、夫人と会話をする。
      夫人は、ガウェインの騎士としての名声を耳にしている、と告げ、そんなに立派な騎士様なら、さぞかし淑女に対する振る舞いも洗練されていることだろう、といってガウェインを誘惑する。
      一方、城の主人への忠義にそむきたくないガウェインは、自分はそのような名声には値しないこと、騎士として夫人に仕え、どのような助けでもすることなどを誓う。
      長い会話の後、夫人はガウェインに、せめてこれくらいはいいでしょう、といって、キスをして去っていく。

      身づくろいを整えたガウェインは、広間に行って、城の騎士たちや貴婦人たちと楽しく過ごす。
      そこへ狩を終えた主人が戻り、獲物の大鹿をガウェインに差し出す。
      ガウェインは、自分の得た獲物として、主人にキスをひとつ差し出す。
      彼らは次の日もまた、お互いの獲物を交換することを約束して、夜は更けていく。

      2日目。
      主人は同じように、早朝から狩に出かけ、大いのししを捕らえる。

      さてガウェインの寝室に、またも夫人がやってくる。
      夫人は、もし自分が夫とする男を選べるのなら、間違いなくガウェインを選ぶ、といってガウェインを誘惑する。ガウェインは言葉巧みに彼女の誘惑を交わし、二人は愛についての会話を楽しむ。
      去り際に夫人は、ガウェインに2回キスをしていく。

      ガウェインが同じように広間で時を過ごしていると、主人が帰ってくる。
      二人は大いのししとキス2つを交換して、残りの夜を楽しく過ごす。

      3日目。城の主人は狩に出かけるが、なかなか獲物に出会えない。とうとう、1匹の狐を捕らえ、それを城に持ち帰る。

      一方のガウェインは、再び夫人の訪問を受ける。
      長々と会話を交わしたところで、夫人は「愛の記念に、あなたのものを何かいただけないか」、と問う。
      ガウェインは、「自分は望みなき探求の身の上であって、貴婦人に送るにふさわしいものは持ち合わせていない」、と断る。すると夫人は、「では私の記念に、この指輪を持っていってくれまいか」といって、高価な指輪を差し出す。
      「そのような高価な品には、どうしても返礼の仕様が無い」、とガウェインは断るが、夫人は、「ではこの緑の腰紐ならば」、といってガウェインに差し出す。
      何も受け取る気が無い、と言うガウェインに、夫人は重ねて、
      「この腰紐は魔法の紐で、見に帯びているものの命をあらゆる危険から守る力がある」という。
      緑の騎士との約束に心を悩ませていたガウェインは、それならば、といって腰紐を受け取る。
      夫人は重ねて、「この贈り物のことは、たとえ城の主人にでも、言わないように」と頼み、ガウェインに3回キスをして部屋を去る。

      獲物の交換のとき、主人は「たいしたものでなく申し訳ない」といって狐を差し出す。
      ガウェインは、キスを3回主人にして、これが自分の得た獲物だ、と言う。
      そして、「明日には緑の礼拝堂に向けて出立しなければならない」、とつげ、今までのもてなしに心から感謝する。

      Fitt 4
      次の日の朝、ガウェインは鎧を身につけ、夫人にもらった腰紐をマントのしたに着けて出立する。
      主人は道案内として、従者を一人付けてくれた。

      その従者は、ガウェインに緑の騎士の残酷さを語って聞かせ、「誰にも口外はしないから、どうか今すぐ逃げてくれ」と懇願する。
      しかしガウェインは、騎士の誇りにかけてもそのようなことはできない、といって、ひとり示された道を進む。

      ついに緑の礼拝堂に到着したガウェインは、緑の騎士と対峙する。
      約束どおり、ガウェインは緑の騎士から首に一太刀を受けるために、身をかがめる。騎士は、2回空振りをした後、3回目の太刀でガウェインの首を掠める。
      さっと飛び起きたガウェインは、「これで約束は果たした。これ以上手を出すつもりならば、その挑戦受けて立つ。」と言う。
      そこで緑の騎士は、元からガウェインを殺すつもりが無かった、と伝え、
      「最初の2回の空振りは、ガウェインの騎士らしい振る舞いと、夫人の誘惑に耐え抜いた貞節に対する賛辞。3回目に掠めたのは、獲物の交換の約束を守らず、己の命への貪欲さから、腰紐を隠していたことへの対価」であるという。
      緑の騎士は、ガウェインが世話になった城の主人であった。

      自らの弱気と欠点に気がついたガウェインは、すぐさま騎士に誤り、どうすれば自分の汚名を雪げるだろうか、と訪ねる。
      騎士は、ガウェインが自分の欠点を認めて懺悔したこと、また首に傷を負ったことで、その汚名は晴らされた、といって、事の次第を説明する。

      実は、騎士の挑戦やガウェインの旅、また夫人による誘惑は、騎士の城に住む老婦人、魔女モーガン(しかもガウェインの叔母)の立てた計画であった。
      アーサーの宮廷での恐ろしいパフォーマンスは、あわよくば王妃を恐怖で殺そうとするもの、
      そのあとのガウェインの旅と城での誘惑は、高名なガウェインの騎士道を試すもの。
      城の主人を緑の騎士にしたのも、モーガンの魔法によるものだった。

      それらのことを聞かされたガウェインは、では自分はその試練に打ち勝てなかったのだ、といって、緑の腰紐を自らの過ちのしるしとして見に帯び、アーサーの宮廷に帰っていく。

      さて、ガウェインの無事な姿に喜んだアーサーと騎士たちは、事の顛末をガウェインから聞く。
      ガウェインは最後に、「この腰紐は、己の未熟さを思い出すために、不名誉の印として一生身に帯びるつもりだ」というが、アーサーたちは、「では、円卓の騎士の中でも最高のガウェインがそうするのならば、自分たちもその紐を帯びようではないか」といって、彼を励ます。

      そのようにして、騎士たちは緑の腰紐を身につけるようになるのだが、それは不名誉の証ではなく、むしろ勇気と名誉の印として、騎士たちに用いられるようになった。


      おしまい。


      スポンサーサイト

      0
        • -
        • 03:05
        • -
        • -
        • by スポンサードリンク

        コメント
        管理者の承認待ちコメントです。
        • -
        • 2019/01/22 2:30 PM
        管理者の承認待ちコメントです。
        • -
        • 2018/05/12 3:50 PM
        >Yoshiさま
        こちらの訳はアマゾンではもう売っていないのですね…残念です。古本屋か大学の図書館ならあるのでしょうか。ぜひ読んでみたいです。
        授業で読んだとき、やっとチョーサーの英語に慣れてきたと思ったところでガウェインに移ったので、再び英語に慣れるのに苦労しました。でも、慣れてくるとやっぱり、元の言葉が一番いいと思うんですよね、現代語訳ではなく。
        韻の踏み方や音の響きが力強くて、内容と音がぴったり合わさっているのが感じられました。
        • ちょこ
        • 2009/06/25 5:33 AM
        こんにちは。前に一度コメントしましたYoshiです。『ガウェィン腓販个竜鎧痢戮篭田進さんという方の、原文からの和訳があります:
        http://www.amazon.co.jp/ガウェイン卿と緑の騎士-1984年-境田-進/dp/B000J6UAV4/ref=sr_1_27?ie=UTF8&s=books&qid=1243369125&sr=8-27

        大学紀要などでは多分他にもあるとは思うのですが。境田さんは、この他にもガウェイン詩人の全作品(『真珠』とか『純粋』等々)を訳して一冊にまとめています。

        ガウェインは、チョーサーなどと違い、ウェスト・ミッドランドの方言が強く、現代英語からの類推がききにくいので、読むのに本当に大変ですが、もの凄く奥深い作品ですよね。私は始め読んだ時、夜に読んでいて、なかなか眠れないほど興奮しました。
        • Yoshi
        • 2009/05/27 5:30 AM
        コメントする








           

        search this site.

        calendar

        S M T W T F S
           1234
        567891011
        12131415161718
        19202122232425
        262728293031 
        << July 2020 >>

        selected entries

        categories

        archives

        クリックお願いします☆

        にほんブログ村 本ブログ 海外文学へ にほんブログ村 本ブログ 洋書へ ブログランキングならblogram

        ブログピープル

        参加中

        ちょこさんの読書メーター

        2013 Reading Challenge

        2013 Reading Challenge
        Chooko has read 0 books toward a goal of 100 books.
        hide

        カウンター

        recent comment

        • 嵐が丘 /エミリー・ブロンテ "Wuthering Heights"
          ETCマンツーマン英会話
        • ガリヴァ旅行記 /ジョナサン・スウィフト "Gulliver's Travel"
          ちょこ
        • ガリヴァ旅行記 /ジョナサン・スウィフト "Gulliver's Travel"
          ysgr
        • 映画『レ・ミゼラブル』/「民衆の歌(エピローグ)」についてのあれこれ
          ちょこ
        • 映画『レ・ミゼラブル』/「民衆の歌(エピローグ)」についてのあれこれ
          だいこん訳者
        • 洋書カフェ “ToBiRa Cafe”にいってきました
          ちょこ
        • 洋書カフェ “ToBiRa Cafe”にいってきました
          Yoshi
        • 新装版『風の万里 黎明の空』十二国記/小野不由美
          ちょこ
        • 新装版『風の万里 黎明の空』十二国記/小野不由美
          Mana
        • 映画「図書館戦争」の公開が4月27日とか
          ちょこ

        recent trackback

        • ”Heaven is for Real” 『天国は、ほんとうにある』/トッド・バーポ
          0ing

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        エマ (上) (ちくま文庫)
        エマ (上) (ちくま文庫) (JUGEMレビュー »)
        ジェイン・オースティン

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        recommend

        links

        profile

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        みんなのブログポータル JUGEM

        使用素材のHP

        Night on the Planet フリー素材*ヒバナ *  *

        PR