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    『トロイラスとクレシダ』シェイクスピア:舞台と本の感想ごっちゃまぜ

    しばらく前の話ですが、彩の国で蜷川幸雄の『トロイラスとクレシダ』を見てきました。
    原作は、シェイクスピア『トロイラスとクレシダ』(松岡和子訳)[William Shakespeare, Troilus and Cressida]です。

    物語の舞台は、トロイの木馬で有名なトロイア戦争。
    これを題材にした物語は結構あるようで、私が読んだことあるのだと、14世紀にチョーサーがTroilus and Criseydeというのを書いています。(それを読んだ時の参考にならない感想はこちら


    さて、まずは舞台の感想から。

    今回はオールメール(男優のみ)の演目ということで、わくわくしながら見てきました。
    イギリスでも見たことなかったので。
    席が遠めだったので、顔までははっきり見えませんでした。
    が、クレシダはとっても女っぽかったです。
    俳優ってすごい。
    逆に、カッサンドラは(狂人という設定上仕方ないけど)、女に見え/聞こえませんでした。
    変に声を作るわけにはいかないので、そんなもんかなと思います。
    ヘレナは完全ギャグ要因ですかね。
    シェイクスピアの時代は、声変わりをあまりしていない男の子が女役をしていたとのことですが、日本でもできないのかな?

    舞台芸術はシンプルでしたが、トロイとギリシャの違いもシンプルにわかりやすくなっていたので、ありだと思いました。
    白っぽい服を着てまじめそうなトロイ人。
    青っぽい鎧をつけてチンピラみたいなギリシャ人。

    脇役がどっしりと安定感があったので、見ていて安心でした。
    声だけで場を作るのってすごいと思います。
    特によかったのは、パンダロスと道化ですかね。
    コミカルな役を演じ切るって、難しいんじゃないでしょうか。
    反対に、若手俳優たちはいまいちな点もあったかな…。
    情熱が先走ってる感はよく出ているのですが、ただでさえ難しいシェイクスピアのセリフを、
    早口怒鳴り声で叫ばれたら、さすがに聞き取れない…(^_^;)

    それはともかく、全体としては楽しく見ごたえのある作品でした。
    また行こうっと。


    次に本の感想。
    見終わったあとスッキリしなかったんですよ。
    読んだ時もすっきりしなかったんだけども。

    なんだろうと考えたら、この話って、トロイラスもクレシダも主役じゃないんですよね、ある意味。

    (続きを読むからどうぞ↓)

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      本当は難しくないシェイクスピア:夏におすすめの映画

      わざわざ舞台まで見に行かなくても楽しめるのが、映画のいいところですね。
      この間は『マンマ・ミーア!』とジブリの2作品を取り上げましたが、
      きょうは夏におススメのシェイクスピア映画です。

       オリンピックの開会式では、シェイクスピアの『テンペスト』がモチーフの一部になったとのことでした。

      シェイクスピアは、16世紀後半から17世紀初頭にかけて活躍した劇作家で、多くの劇や詩を残しています。
      使われている英語が現代英語とは少し違うことと、日本人にとっては韻文で書かれた劇になじみがないことから、「難しい」イメージが付きまとっているのではないでしょうか。
      ま、日本人にとっても、そして英語人にとっても、それなりに「難しい」のは確かなんですが、それは大方、語学面での問題であって、
      内容が高尚すぎてわからない、というわけではないんです。

      もともと、劇を見ていたのも演じていたのも、知識人というわけではないですし。
      娯楽作品ですから、取り上げられているテーマは、現代にも共通する人間性です。
      つまり、人ってバカなこともするし、恋もするしケンカもするし、いいところも悪いところもあるよね。それがおもしろいよねってことです。

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        オペラ:マクベス Verdi's Macbeth @ Wienna Opera House

        冬にウィーンにいってきまして、オペラを見てきました。
        一番行きたかったニーベルンゲンの指輪は、時間があわずに断念・・・で、「とりあえず話はしってるし」ということで、ヴィヴァルディのマクベスを見てきました。

        というかね、ヴィヴァルディがマクベス作ってる時点でかなりびっくりしました、わたし。
        イタリア人がイギリスの作品題材にするんだー。と。

        そんなマクベスのあらすじなどはこちら


        さて。
        何の下調べもせずに行ったため、舞台がモダン(というよりコンテンポラリーだな、あれは)だったのにびっくりしました。
        勝手にコスチューム着てるもんだと思った。

        そのため、内容に入っていきにくかったというか・・・うん。いろいろ考えちゃいました、見ながら(笑)

        まず、オペラで一番大事であろう、曲と歌。
        これは、オペラをまともに見た回数が少ないのでなんともいえませんが、聞いてて特に気になるところもなかったし、よかったのだと思います。

        でも、オペラはただのコンサートではないので、やっぱり舞台の設定や衣装や、振り付け演技も重要なわけですよね。
        今回の上演は、衣装はモダン。男性はスーツ、女性は黒のカクテルドレス。が基本。
        でも演出は、コンテンポラリーだと思いました。

        なぜか。

        まず、マクベスに予言する魔女たち。
        これはオペラでは、魔女の集団、てことになってますが、彼女たちがカクテルドレスのパパラッチ&現代アート集団になっていました。
        まったくもって、なにがどうして彼女らが不思議な力をもつ魔女になるのか、意味が分からない。
        なんだあれ。

        スコットランド王だけ、キルトをはいて登場しましたが、その後王様になったマクベスは、普通の軍服っぽいのを着ていて、キルトははきません。

        それから暗殺者の集団。
        こちらはトレンチコートに帽子。白手袋。
        で、あの、コメディーとかでつけてる赤鼻。そして手には赤風船。

        うーん。もはや職業が分からない。
        で、暗殺されたバンクオの幽霊は、赤風船もって登場しましたよ。

        さらにシーンが進んで、魔女の予言2。
        今度は、魔女が霊を呼び出して、マクベスの未来を告げるのですが、王族の死霊だの、未来の王族の霊だのが、あのやかましい魔女たちの変装?みたいな事になっていて、なんともマクベスの悲劇性が、場違いなかんじに。

        あとはイングランド軍か。
        これも微妙に労働者っぽいかんじの集団で、なんだかなーでした。


        と。
        こうなると、果たして歌が重要なのか、演出が重要なのかってことですが。
        やっぱり、両方そろわないといけないと思うんですよねー。

        それで問題なのが、「いつの時代」の服装をすれば、「演出が忠実」になるのか。
        ヴェルディの時代の服か。
        シェイクスピアの時代の服か。
        それとも、元になった歴史上の、マクベスの時代の服か。

        とか考えていくと、うーんどうだか。
        と思ってしまう。


        と、こんな思考の波にさらわれて、純粋に楽しむというよりは、クリティカルthinkingの練習になってしまいました。
        いかんいかん(笑)

        みなさま、オペラなどを見るときは、どういう演出になるのかもちゃんとチェックしてからいきましょうね。
        むだに疲れます。


        JUGEMテーマ:戯曲/劇
         

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          "Shakespear in Love" 『恋に落ちたシェイクルピア』

          今さらな感じはありますが、みてみました。
          『恋に落ちたシェイクルピア』。もう10年以上前の作品なんですね。

          なぜ今更見てみたのかというと、ひとえにコリン・ファースが出ていると知ったから。
          それだけ。

          エンターテイメントとしてはおもしろかったです。
          「あの作品の裏に隠されたロマンス!」みたいな作りで。そういう意味では、"Becoming Jane"もこれと同じ流れでしょうね。とくに史実に忠実なわけじゃないという点で(笑)

          まぁあれだ。
          シェイクスピアは実はゲイだったらしいとか、有名なソネットもその相手に向けて書かれたらしいとか、そういう逸話を聞いたことがあると、物語に入り込む前に、「うっ」と思ってしまうので、なんというかまぁ。
          でも、『ロミオとジュリエット』の裏にこんな話があったら、おもしろいでしょうね。

          個人的におもしろかったのは、シェイクスピアとマーロウが仲良しさんだったこと。
          実際に二人が友人同士だったのか知りませんが、同時代に生きた戯曲家だし、こういう演出もおもしろいと思いました。

          あ、そうそう、(私的)メインのコリン・ファースですが、お堅い敵役でよかったです。彼がエリザベサンのコスチュームってのはなんとなく笑えました。
          似合ってない!
          それともあれは狙ってるのかしら?いかにもコスチューム着てます!!って感じでした(笑)

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            見てきました"As You Like It" @ Shakespear Globe / 『お気に召すまま』 

            評価:
            William Shakespeare
            Penguin Classics
            ¥ 761

            評価:
            ウィリアム シェイクスピア
            新潮社
            ¥ 380

            今年のグローブ座の演目のひとつは、"As You Like It" 『お気に召すまま』です。
            ちゃんと読んだことはなくて、あらすじとか見所とかをどうにか脳みそに叩き込んで、見てまいりました。

            感想:

             1.台詞、わかんなーい!
            えぇと、やっぱりシェイクスピアの英語は難しいね☆ってことです。以前見た"The Merchant of Venice"『ヴェニスの商人』は、授業でこれでもか!ってくらい丁寧にやったし、日本語訳も読んでたし。ですので、ちゃんと台詞が追えていて、なおかつギャグとかも分かっておもしろかったのですが。
            いくら中世英語だのなんだのに比べて読みやすいといったって、まぁ初見で分かるほど簡単ではないですね(あたりまえ)
            でも、名台詞というか、有名なところはばっちり大丈夫でした。
            話の筋もちゃんと終えるんですけど、やっぱあれだな、散文で書かれてるコミカルな場面は分からないですね。

             2.やっぱり舞台っていいですね。
            ドラマ/映画が完璧に作られた仮想現実な世界なのとは違って、お芝居は現実と仮想現実の間にあるのだと思います。そこが、おもしろい。
            たとえば、ドラマだったら、登場人物が視聴者に向かって目配せしたりって事は出来なんですけど(そういうフリはできますが)、舞台だとそれが可能。
            んで、見てる側もそれをきちんと受け取れるので、”現実のなかに仮想現実の人物がいる”状況た作り出せるわけで。あるいは、”現実が仮想現実の中に飲み込まれる”状況。このかんじがなんともたまらない。
            あと、これはシェイクスピアの時代の特徴でもあるのかな?現代演劇では(といってもわたしは詳しくはないですが)、舞台をテレビのスクリーンと同様に扱う(=演技者と観客の交流が0)ものが主流っぽいですし。

            以上が内容以前の感想かしら。

            さて続いて内容の感想。物語のネタバレも含みます。

            この劇の見所は、なんといっても変装したロザリンドとオーランドーの恋のゲーム。
            片や、相手の正体に気がついていないオーランドー。片や、相手に正体がばれちゃいけないけど、好きな相手にときめいちゃってるロザリンド。
            と、それに突っ込みを入れるシーリア(=第3者目線)。

            ロザリンドが男のフリをする演技は、特に男っぽくも見えないんだけど、それも“女の子ががんばって男のフリをしてる演技”なのかしら?役者さんが割りとユニセックスな顔のつくりをしていたので、変化をあまり感じなかったのかも。
            なんだけど、場面が進んでいくにつれて、引き込まれる引き込まれる!
            特に結婚式のシーン、ものすんごくドキドキしました。

            オーランドーは、ギャニミード(=変装したロザリンドの偽名。男)を愛しののロザリンドに見立てて結婚式のフリをしてて、でもやっぱ「相手は男だ」と分かってる。
            ロザリンドは、オーランドーの認識が↑だって分かった上で演技してて、でも女としての自分の本心が出てしまっていて。

            だから、キスシーンのあとの二人の反応の違いがおかしいの何の!
            とても正統な反応をしてるんだけど、それぞれの視点で見ると、相手の行動が変に映るのよね。

            ロザリンド側からすると、男と女。オーランドー側からすると、男と男=ゲイ。
            で、観客側からすると、役柄としては男と女で、ロザリンドとオーランドーの視点の両方が見えるんだけど、これを役者ベースまで落とすと、やっぱり男と少年(シェイクスピアの時代はね)。
            ってことで、どう転んでもなんだかきわどいシーンの完成。
            おもしろすぎ。



            それから余談ですが、オーランドー役の人は茶髪でした。
            ひどい兄役の人は金髪でした。
            悪い公爵役の人は黒髪でした。

            なんか、髪の色による配役って感じがしてしまうのは、わたしだけでしょうか。気のせいでしょうか。
            いろんなタイプの髪の色がある分、こちらでは髪の毛の色に対する根強いイメージってのがあると思います。

            あらすじは続きからどうぞ。

            JUGEMテーマ:戯曲/劇


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              パイネタ: 『タイタス・アンドロニカス』 Willium Shakespeare "Titus Andronicus"

              評価:
              William Shakespeare,Jonathan Bate
              Arden Shakespeare
              ¥ 2,848

              JUGEMテーマ:戯曲/劇

              久しぶりの更新です。
              このところ、ずーーーっと忙しくて、なんだかあまりまとまった時間が取れませんでした。
              ・・・いまも忙しいんですけどね?現実逃避です。


              さてさて。

              今学期とっている授業の一つが”ゴシックのルーツ”なんです。
              で、タイタスは一番初めに読んだ作品。

              なにがどうしてGOTHICなのかというと、日本語訳で”ゴート人”となっているところが、英語だと"the Goths"なんですね。

              つまり、ゴシックってのは直訳だと”ゴート人的”、つまるところ”敵役的”ってこと。
              たしかに、ゴシックの登場人物ってのは、どっちかっていうと悪者めいたところがあるものですし。


              んで。
              パイネタですが・・・
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                時代に翻弄されちゃった敵役 : 『ヴェニスの商人』 / William Shakespeare "The Merchant of Venice"


                評価:
                シェイクスピア
                角川書店
                ¥ 420
                (2005-10-25)

                評価:
                マイケル・ラドフォード,ウィリアム・シェークスピア
                ポニーキャニオン
                ¥ 3,188
                (2006-04-05)
                JUGEMテーマ:戯曲/劇


                作品ができたあとの歴史によって、ここまで立場が変わっちゃった登場人物もそうそういないんじゃないかな、と思われる、『ヴェニスの商人』の敵役、ユダヤ人・シャイロック。

                『クリスマス・キャロル』のスクルージーと並ぶ、いや、それよりもよっぽど年季の入った、元祖強欲じじい。

                第二次世界大戦前までは、割とみんなストレートに話をうけとって、シャイロック=鼻持ちならないいやなやつ。
                として演じられていたそうですが。
                が。
                ナチスによるユダヤ人迫害や、その他のホロコーストの歴史を経て、今ではシャイロック=人種差別にあってる悲劇の主人公、です。


                たしかに、シェイクスピアのすごいところは、敵役にもきちんと背景があって、彼の悲しみとか、そういったものも表現されているところ。
                だから、シャイロックを悲劇的に見ることも可能なんです。


                だからといって、バッサーニオたちを悪者扱いする必要もないんだけど。


                シェイクスピアって、人間をものすごーく人間らしく描いているから、誰がいいとか悪いとかじゃなくてさ、いろんな面を持った人間たちの劇なんですよ、結局のところ。


                でもま、結局喜劇だから。
                だから私は、この話好きです。
                グローブ座で劇を見たら、よけい好きになりました。

                ギャグの部分はギャグだし、シリアスなはずの場面も割りとコミカルだったりするし。
                演出家にもよると思うけれど、こんなにおもしろいとは思わなかったです。

                映画のほうは、かなりシリアスなつくりで、ま、正統といえば正統かも。
                やっぱシャイロックが悲劇人物だけど。


                劇のほうは、バッサーニオをアントーニオがちょっとゲイっぽかったり(そういう解釈もあるんです、ほんとに)、バッサーニオがむしろ金目的っぽかったりしておもしろかったです(笑)

                演出家とかによって、いろんな風な解釈ができるのも、シェイクスピア劇の見所かもですね☆



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                あらすじはもうしばらくお待ちください。
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                  セント・ジョージの旗の下に : 『ヘンリー5世』 / ウィリアム・シェイクスピア "Henry V"


                  評価:
                  William Shakespeare
                  Arden Shakespeare
                  ¥ 1,498

                  評価:
                  パイオニアLDC
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                  コメント:ケネス・ブラナー版
                  JUGEMテーマ:戯曲/劇

                  思えば、これが一番初めに授業で読んだシェイクスピアでした。
                  だからかもしれないけれど、多少思い入れが強いです。他のに比べて。

                  シェイクスピアは歴史劇をいくつか書いています。これは『ヘンリー4世 1部/2部』に続く作品で、登場人物でもかぶっているのが何人もいます(私自身はヘンリー4世読んでないんですが)。

                  イギリスではいまだに人気の高い作品らしく、それというのも
                  ・イギリスが戦争に勝つ話
                  ・しかもフランスをブチのめす話
                  だからだそうな。
                  ウソかホントか知りませんよ(笑)でも充分ありえそうな理由ですけど。

                  まぁ、そういった話なので、イギリスでは大きな戦争のたびに上演されてきた、と言う歴史を持つそうな。
                  そりゃぁ、過去に実際あった栄光の勝利の劇を見たら、戦うほうだってまだやる気が出るってもんなんでしょうね。


                  もっとも、第2次世界大戦以後の反戦思想の高まりにともなって、解釈や上演のされ方も異なってきているようです。

                  よい例が、ローレンス・オリヴィエ主演の『ヘンリー5世』と、ケネス・ブラナー監督・主演の『ヘンリー5世』の映画。
                  前者は、第2次世界大戦中に作られたもの、
                  後者は戦後、ある程度経ってからだったような。

                  とにかく、“戦争”というものの描き方が、まったく違うんです。

                  オリヴィエのほうは、さすが愛国心を鼓舞するようなできになっていて、神の前にも人の前にも公平な王ヘンリーが、フランスを打ち倒して、王女とも仲良く結婚する、といったかんじ。
                  一方のブラナー版は、泥臭い戦争の過酷さを前面に押し出して、人としても弱かったり迷ったりするヘンリー王を演じています。


                  個人的には、オリヴィエ版のほうが好きなんですよ。わたしは。
                  だって、私にとって、イギリスとフランスの戦争なんて、いくら歴史上に会ったとはいえ、物語と変わらないんだもの。実感がなくて。
                  だったら、颯爽と勝利をかっさらう王様のほうが、見ていて爽快じゃないですか。
                  戦争映画としてみるんだったら、そりゃブラナー版のほうかもしれないけど。
                  でも、台詞回しが戯曲(韻を踏んだ詩みたいな文章)なのに、いくら映像をリアルに血みどろにしても、ねぇ。。。

                  両方比べるとおもしろいのは、オリヴィエ版では残酷とか裏切りのシーン・台詞をほぼカットしているのに対し、ブラナー版では神とか公正とか、そういった台詞をカットしまくっていること。
                  編集の仕方によって、作品のメッセージ性が多いに変わる、といういい例ですね。
                  この辺を比べるのもおもしろい。

                  どちらにしても、ヘンリーの名演説→"We few, we happy few, we bond of brothers," 
                  は、日本語訳になるとその言葉の力を失ってしまう、というこれまたいい例だと思います。
                  むりやり訳すと、「われら少数、われら幸福な少数、われら兄弟の絆で結ばれたものたちは、」となるのかな?
                  軍の一体感連帯感を出すのに、こんな少ない言葉で、なおかつ力強い表現て、なかなかないと思います。
                  だからこそ、このシーンばっかりいろいろなところで使われるんですよね。


                  興味がある人は、映画だけでも見てみてください。
                  どうやらアマゾンではオリヴィエ版はないようですが、ひょっとしたらツタヤとかにならあるかも・・・?


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                    夏の夜の夢 /ウィリアム・シェイクスピア "A Midsummer Night's Dream"


                    評価:
                    William Shakespeare
                    Oxford Univ Pr (T)
                    ¥ 1,425
                    (1998-06-11)
                    夏ですね。
                    夏といえばシェイクスピアの"A Midsummer Night's Dream" (邦題『夏の夜の夢』/『真夏の夜の夢』)ですね。
                    こちらイギリスでは、夏になるといっせいにこの劇が上演されます。

                    結婚式を控えたアテネの王様とアマゾンの女王様、
                    四角関係な2組の若い男女、
                    痴話げんかを繰り広げる妖精の王様と女王様、
                    結婚式のお祝いになれない劇の練習をするアテネの職人連。

                    こんな連中が入り乱れてのどたばた喜劇。

                    こじれた関係をさらにややこしくするのが、いたずらものの妖精パック。
                    夜の森にやってきた職人たちと2組のカップルと妖精の女王にいたずらをして(半分は妖精王の差し金だけど)、舞台上を引っ掻き回す。

                    大工のボトムはロバ頭にtranslated(transformedのいい間違い)され、2人の男たちは違った相手に求婚し、女王様はロバ頭のボトムに首ったけ。

                    最終的にはみんな仲直りして、アテネの王様と2組の男女は一緒に結婚式を、
                    妖精の王様と女王様は仲良く3組のカップルの祝福を、
                    そして職人連は、ありえないくらい下手な劇を見事上演するわけです。

                    パックのエピローグで物語は幕を閉じます。

                    森の中の出来事は全部夢?それとも夢のような本当の話?
                    そんな夢と現実の境い目を垣間見せてくれる、つかの間の夢物語です。



                    ちなみに。
                    特に職人たちの場面だけど、言ってることがダジャレだらけです。
                    そのおもしろさが日本語に翻訳されるとほとんど死んでしまうのが残念!


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                      ジュリアス・シーザー/ ウィリアム・シェイクスピア "Julius Caesar"


                      評価:
                      William Shakespeare
                      Cambridge University Press
                      ¥ 1,670
                      訳者の方もあとがきか解説で書いていたけれど、“群集”の恐ろしさを感じた劇だった。

                      シーザーを褒め称えていた民衆が、ブルータスの演説でシーザーを暴君とみなし、ブルータスを民衆を救ったといって褒め称える。その直後のアントニーの演説で、ブルータスをとんでもない反逆者だと責める民衆。

                      誰も彼もが、群集を自分の味方につけようとしているようだった。共和制のローマにおいては、例えどんなに力のある政治家でも自分ひとりの力でできることは限られてくる。民衆の支持なくしては何もできない。

                      共和制の真髄がぎゅっと凝縮されているかのような話ですね。

                      あとちょっと気になったのがタイトルの『ジュリアス・シーザー』。
                      日本の教科書では“ユリウス・カエサル”としておなじみ(だと思われ)ますが、彼って劇の割とはじめのほうで殺されてしまうのね。
                      そのあとは主にブルータスとアントニーの独壇場。
                      なのになんでタイトルが『ジュリアス・シーザー』なんだろう。
                      タイトル=話の一番のテーマ とすると、この話はやっぱりシーザーに支配されているってこと。
                      暗殺もそれに続く市民戦争も、すべてシーザーがらみの事件だし、ことの首謀者たちはやっぱりシーザーのことをいろんなかたちで引きずってるし。
                      舞台に立たなくても、シーザーの存在ってのは消すことができないんだよね、話の核からは。


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